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観音堂の絵馬[安居寺][社寺・教会] 

観音堂の外陣に狩野永徳・山楽が描いたとされる3枚の黒馬の絵馬が掲げられている。
1622年(元和8)の寄進銘があり、これには加賀3代藩主前田利常が夫人の産後の健康を願って奉納したという説がある。

安居寺公園山頂の美しく咲くサクラを満喫しよう。photo15.jpg

安居寺には西国三十三ケ所のミニ霊場があり、観音菩薩像などの石像が立てられています。
縁談・受験・病気祈願・失い物などに広くご利益があるとされ、霊験あらたかな観音さまのお寺としてて広く信仰を集めています。

昭和29年に開催された富山産業大博覧会の記念事業で行われた「富山百選」に選ばれています南砺市安居(やっすい)にあります。

旧福野町です。

地元では、安居山(やっすいやま:南砺市と小矢部市の境にある丘陵)と呼ばれる場所にあります。

安居山は、安居寺公園として整備され、鄙びた良い感じを出しています。
備中ヶ丘展望台には約400本のサクラがあり公園内の遊歩道を散策しながら花見ができる。

 

img_angoji01.jpg備中ヶ丘展望台(第一展望台)や第二・第三展望台からは砺波平野の散居村が一望できます。

また、富山の桜名所50選にも選ばれており春(4月中旬)には吉野桜がきれいです、ふらわ~

利波臣古墳というのもあります。

ふもとの安居集落には、国登録有形文化財の富田家住宅があります。

 

JR福野駅からバスで10分。安居寺(あんごじ)前で降りると、ゆるやかな上り坂が待っている。「北陸の高野山」と呼ばれる真言宗の古刹(こさつ)、安居寺の参道だ。

朱塗りの橋を渡ると、お地蔵さまに花を供えているおばあちゃんに出会った。
この近くの畑に行く途中でいつも立ち寄るそうで、「ばあちゃんねえ、お地蔵さんを話し相手にしとるがよ」と微笑(ほほえ)む。

「お寺さんにお参りに来られたがけ」。よう来られたと目を細め、安居寺の本尊、観音さまについて教えてくれた。「国宝ながよ」。33年に1度しか開帳されない秘仏で、国宝に指定されて初めての開帳の年には、空前の賑(にぎ)わいを見せたという。

「サーカスまで出たわ」と、昭和初期の頃(ころ)を懐かしげに振り返る。

今は国宝の指定は解かれ、国指定の重要文化財になっているが、お参りをする人の姿はあとを絶たない。

photo26.jpgやがて右手に大ケヤキ、その奥にどっしりとした仁王門が見えてくる。
石灯籠(どうろう)の立てられた参道をまっすぐ進み、突き当たりの右手に立つのが楼門(ろうもん)造りの風格漂う山門だ。背丈の倍はあろうかという大きな草鞋(わらじ)が立てかけられており、門の中では金剛力士がかっと目を見開いている。

山門に提げられたノートに、お参りした人の名前が記されている。中には300回、400回と足を運んでいる方がおり、お寺への信仰の篤(あつ)さにいまさらのように驚く。

山門の奥にあるのが観音堂だ。
中に入ると焚(た)きしめた護摩の匂(にお)いが強く香る。
観音堂の壁には寄進された絵馬が多く掲げられているが、その中でもひときわ目を引くのが板戸3枚に描かれた勇壮な絵馬だ。狩野永徳・三楽師弟のものと伝えられ、加賀3代藩主前田利常が夫人の安産を祈願して奉納したものだそうだ。

「板の下に車輪がついています。聚楽第の戸であったと言われています」。
墨染めの衣をまとったお坊さまが静かに語ってくれる。

観音堂隣にある本堂にお参りする。ここには「見返り阿弥陀(あみだ)像」という珍しい仏像があるという。その名の通り、わずかに左後方を振り返っている。こころもち傾(かし)いだお姿がなんともいえず優美だ。

ここ安居寺一帯の丘陵は「とやま森林浴の森」に指定されており、見晴らしのよい展望地、遊具が備えられた緑地公園、今まで涸(か)れたことがないという「妃(ひ)の清水」などをぐるりと周遊することが出来る。

かなりの山道にもかかわらず、小さな子供を連れたお母さんたちにも何度か出会った。

観音さまが見守る山道。さくさくと落ち葉を踏みしめて歩く遊歩道。高野山よりも古い718年に開かれ、脈々と法灯を維持してきたというこの安居寺に、護摩祈祷(きとう)の厳かな声が今日も響いている。

(2002年11月22日 読売新聞)