福野高校巖浄閣
明治36年4月、富山県立農学校校舎として砺波市太田出身の宮大工藤井助乃丞により設計施工された。
木造の和洋折衷二階建で床が高く、片側廊下の明治期を代表する洋風建築物であり、昭和62年「富山の建築百景」に選定された。コロニアルスタイルの細い板を段が付くように重ねた下見板張りペンキ塗り、上げ下げ窓の洋風建築のデザインを基本としている。正面玄関開き戸の上は当寺としては珍しい半円形の欄間となっている。玄関ポーチの上にはギリシャ風飾り窓を伴ったベランダを配置し二階屋根中央には半円の屋根をのせた特徴あるゲーブルが置かれ、全体的に中央部に装飾がまとめられている。
昭和41年本校舎が全面改装されるにあたり明治以来の代表的な学校建築物として永久保存のため昭和43年現地に移築された。
平成9年5月29日、本建築物は国重要文化財(建第2335号)に指定された。
明治時代の地方の大工棟梁が独自に洋風の意匠を摂取し習熟した様子を示す典型的な建造物として貴重である。
現在学校沿革資料の展示、グループ学習の場として利用されている。
場所:南砺市苗島443